潰瘍性大腸炎の概要
- 病気の特徴:大腸の炎症や潰瘍が良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性的に続く。クローン病と並ぶ炎症性腸疾患(IBD)です。
- 発生頻度:欧米諸国で多く見られたが、日本でも増加しており、15歳以下の患者も増えている。
- リスク:炎症が持続すると、10年後に2-3%の確率で大腸がんが発生するリスクがある。
病因
- 原因は不明:遺伝的要因、食事、腸内細菌に対する免疫異常が関連していると考えられている。
病変の特徴
- 炎症の開始:直腸から始まり、粘膜のただれや潰瘍を形成。進行すると、大腸全体に炎症が広がる。
- 型の分類:直腸炎型、左側結腸炎型、全大腸炎型に分類される。
- 潰瘍の影響:初期は浅いが進行すると腸壁が硬くなり、狭窄を引き起こしたり、重症の場合には腸が膨らむことや出血が見られることもある。
症状
- 腹痛、下痢、血便、貧血、発熱、食欲不振、関節炎、皮膚症状、体重減少などの全身症状が見られる。
診断方法
- 検査方法:採血、X線検査、内視鏡検査(上部・下部)、カプセル内視鏡、CT、MRIなどを用いて鑑別診断と病気の広がり・重症度の評価を行う。
クローン病、潰瘍性大腸炎ともに難病指定されていますが、その特徴は異なります。いずれの場合にも新しい治療方法やお薬が開発されているので、しっかりと検査・治療を継続的に行うことで症状の軽い状態を維持する事が可能です。
炎症性腸疾患 | ||
クローン病 | 潰瘍性大腸炎 | |
好発年齢 | 20代を中心とする若年者 | 20~40歳代 |
病変部 | 消化管全体 (口腔から校門まで) |
大腸のみ |
病変部の特徴 | 非連続的で間に正常部が存在する飛び石様病変 | 連続的 |
内視鏡所見 | 縦走潰瘍や敷石状像など | 多発性のびらん・浅い潰瘍 |
血液検査 | 炎症反応の亢進 白血球増多、CRP上昇、血沈亢進 |
炎症反応の亢進 白血球増多、CRP上昇、血沈亢進 |
症状 | 主に腹痛、下痢、発熱 腸管の穿孔穿孔、狭窄、肛門部病変(痔瘻)、関節炎、口内炎、血便、貧血が起きる場合も |
腹痛、下痢、血便 重症で発熱、貧血など |
クローン病と同じく、患者さんの年齢に若年化傾向があり、症例数も非常に増えています。治療には専門的かつ最新の治療法が有効であると思われます。たけだ内科クリニックでは、特に慢性的な炎症性大腸炎の治療に力を入れ、苦しい症状からの解放を目指して一緒になって診療を継続的に行っています。