肥満症外来とは
肥満症外来は、体重増加やそれに伴う健康リスクに対して、医学的な視点から改善を目指す診療です。
一般的にBMI25以上は肥満とされ、さらに健康障害を伴う場合には「肥満症」として治療の対象になります。
単に体重を減らすことだけでなく、生活習慣病の予防や改善、日常生活の質を高めることを目的としています。
肥満に悩む方へ
「食事制限が続かない」「一度痩せてもすぐ戻ってしまう」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
肥満は自己管理だけの問題ではなく、遺伝や生活環境、ホルモンバランスなど複数の要因が関係することが知られています。
そのため、正しい評価と医療的なサポートが重要です。
主な原因
肥満の背景には、以下のようなさまざまな要因が関与します。
- 遺伝的な体質
- 成長過程での生活習慣
- 食環境や社会的要因
- ホルモンや代謝の異常
中には、病気が原因となる「二次性肥満」のケースもあり、適切な診断により改善できる可能性があります。
当院の治療方針
当院では、まず肥満の原因を丁寧に評価し、個々の状態に合わせた治療を行います。
主なアプローチは以下の通りです。
- 食事内容の見直しと指導
- 運動習慣の改善
- 必要に応じた薬物療法
医師だけでなく、スタッフが連携しながら継続できる減量プログラムを提案し、リバウンドしにくい体づくりをサポートします。
薬物療法について(自由診療)
医学的に行う肥満症治療
当院では、肥満を単なる見た目の問題ではなく、
**治療が必要な疾患(肥満症)**として捉えています。
そのため、十分な診察と評価を行ったうえで、
医学的根拠に基づいた薬物療法(自由診療)を提供しています。
現在、以下の薬剤を用いた治療に対応しています。
- ウゴービ(セマグルチド)
- ゼップバウンド(チルゼパチド)
※美容目的や短期間での減量のみを目的とした処方は行っておりません。
薬物療法を検討するケース
生活習慣の改善だけでは効果が十分でない場合や、
医学的に肥満症と診断される場合には、薬物療法を検討します。
ただし、治療はあくまで医学的必要性に基づいて行い、
美容や見た目の改善のみを目的とした使用は対象外となります。
自由診療となる理由
ウゴービおよびゼップバウンドは、肥満症に対して保険適応がある薬剤ですが、
実際に保険診療で使用するには厳しい条件が設定されています。
主な制約は以下の通りです。
- 処方できる医療機関が限られている
- 開始前に長期間の栄養指導が必要
- 中断後の再開にも同様の条件が求められる
- 投与期間に制限がある
これらの条件により、保険診療で治療を受けられる方は限られています。
当院では、適切なタイミングで治療介入が必要な方に対応するため、
医学的妥当性を確保したうえで自由診療として提供しています。
薬物療法の対象となる方
以下のいずれかに該当する方を対象としています。
- BMI35以上の方
- BMI27以上で、肥満に関連する健康障害がある方
(脂肪肝・高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸など)
※BMIが基準未満でも、医学的に必要と判断した場合は検討することがあります。
参考:保険診療での主な条件
(※当院は自由診療のため参考情報)
保険診療では、以下のような条件が求められます。
① 既に生活習慣病の治療を受けている
以下の薬剤を使用中であることが必要です。
- 高血圧治療薬
- 脂質異常症治療薬
- 2型糖尿病治療薬
② BMI基準
以下のいずれかを満たす必要があります。
- BMI35以上
- BMI27以上かつ健康障害を複数合併
対象となる健康障害には以下が含まれます。
- 糖代謝異常
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症
- 心血管疾患
- 脂肪肝
- 睡眠時無呼吸症候群
- 関節疾患
- 慢性腎臓病 など
さらに、6か月以上の生活指導が必要となるなど、
実際に治療開始できるケースは限定的です。
当院の考え方
当院は自由診療ですが、以下を重視しています。
- 肥満症としての医学的妥当性
- 生活習慣改善の状況
- 既存疾患および将来リスク
これらを総合的に評価し、
適応があると判断した方のみ治療を行います。
ウゴービについて
ウゴービは、肥満症に対して保険適応が認められた
GLP-1受容体作動薬です。
主な作用は以下の通りです。
- 空腹感の抑制
- 満腹感の持続
- 胃の動きを緩やかにすることで過食を防ぐ
- 血糖に応じたインスリン分泌の調整
これにより、自然な食事量のコントロールが可能になります。
ゼップバウンドについて
ゼップバウンドは比較的新しい肥満症治療薬で、
GIPとGLP-1の2つの作用を持つ薬剤です。
主な特徴は以下です。
- 食欲の抑制
- 満腹感の持続
- 脂肪代謝への作用
週1回の自己注射で治療を行います。
適応外使用を行わない理由
近年、糖尿病治療薬が減量目的で使用されるケースがありますが、
当院では適応外使用は行っていません。
その理由として、
- 副作用時の公的補償対象外となる可能性
- 長期安全性が不十分な場合がある
- 科学的根拠が限定的なケースがある
といったリスクが挙げられます。
そのため当院では、
肥満症に対して適応とエビデンスが明確な薬剤のみを使用しています。
受診をおすすめする方
- 自己流のダイエットで結果が出ない方
- 健診で肥満やメタボを指摘された方
- 生活習慣病を予防・改善したい方
- 医学的に安全な減量を行いたい方
注意事項
- 医療目的の減量を対象としています
- 美容目的のみの過度なダイエットには対応していません
まとめ
肥満症は適切な治療で改善が期待できる「医療の対象」です。
一人で悩まず、専門的なサポートを受けることで、健康的な体づくりを目指しましょう
肥満が引き起こす主な疾患
肥満は多くの病気と関連しています。
代表的な疾患
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 痛風
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脂肪肝
その他の関連疾患
- 心臓や脳の血管疾患
- 一部のがん
- 関節障害
- 不妊やホルモン異常
これらのリスクを下げることが、肥満治療の大きな目的です。